【戦争を生き抜いた人だから】退院すると口臭が消えた

知り合いのおじいちゃん
90歳を超えた高齢の知り合いがいます。
彼はそれまでとても元気に過ごしていましたが、あるとき体を患って入院しました。
入院の経験がない彼は病院のルールにずいぶん戸惑っていたようです。
いつでも動けるようにしなければと思い、入れ歯を洗う時間がなかった
食事はおおむね決まった時間に提供されますが、筋力が衰えないよう日に何度か呼ばれるトレーニングは時間が不規則でいつ急に呼ばれるかがわかりません。
トレーニング以外にもお手洗いの介助や点滴の取替え、体温測定などと病院の先生や看護師さんが突然現れるタイミングは多くあったそうです。
戦争の時代を生き抜いたような世代ということもあってなのか、「急に不測の事態があっても動けるように備えなければ」と強く思い込んだらしい彼は入れ歯とメガネをほとんどはずさなくなってしまいました。
入れ歯もメガネも時折洗ってはいるようなのですがお年を召しておぼつかなくなった震える手での洗浄作業、特に入れ歯は使っていないときに洗浄剤につけておく等すれば良いはずが軽く洗ってはめたままにしているので、口臭のもとになってしまっていたようです。
お見舞いに行くたびに臭いが強くなった
入院してほどない頃にお見舞いへ行ったときは「ちょっと口臭がするような…」程度にしか思っていませんでしたが何度か会ううちに顔をしかめるほどの臭さになっていました。
部屋に入ったあたりから異臭に気づくまでにひどくなった頃にはベッドに近づくと涙がにじむほどの臭いでした。
テレビを長く眺めているのも体勢がきついという彼の唯一の楽しみはお見舞いにきた人と話すことだと聞いていたので、できることならたくさん話したいという気持ちはあるのに彼が何か言葉を発そうとするたび、ものすごい臭いがするのです。
しかも高齢なので、耳がずいぶん遠くなっていました。
あまり離れて話そうとすると「聞こえない」と言われてしまいます。
話したいし近づきたいのに、臭いがひどいあまりに長く居るのが辛い。
お見舞いに行くたびに葛藤しました。
退院すると臭いは消えた
しばらくして彼は退院し、自宅で過ごすようになりました。
いつ急に呼ばれるかわからないという不安から開放され、不要なときには入れ歯を外すようになってからはあの恐ろしい臭いはきれいさっぱりなくなりました。
数メートルの距離でもわかるほどの臭いがしていたのです、あのまま入院が続いていたら臭い以外にも健康面での害が出ていたのではないかと思うと早めに退院できてよかったと思う次第です。