【そろばん塾】先生の口臭は嫌だったが今では楽しかった思い出

友達の誘いでそろばん塾に通うことになった
これは私が小学生の頃、駅前にあるそろばん塾に通っていた時の話。
学年で仲の良かった女の子8人グループにいた私は友達の誘いでそろばん塾に習うことになった。
最初はパチパチ玉を動かすだけの単純な作業で、計算が苦手な私はこんな簡単だったんだといつのまにか楽しくなっていた。
もちろん足し算引き算の単純な計算ならまだしも桁数が多くなったり、複雑な計算式が出てくると難しくなってくる。
諦め癖の付いている私に80を越えたお爺ちゃん先生はどんな手を使ってもやらせようとしていた。
コンパスの針でお尻を刺したり、自分の舐めた手を付けようとしてきたりした。
今では考えられないが、当時は評判もいい塾で、そんな事は朝飯前だった。
しかし年頃の女の子達は そんな先生の事を軽蔑していた。
先生の唾が古びた感じの臭いがした
ある日採点をしている先生の口元を見ると何やら黄色い何かがついている。
しかも若干粘り気のある気持ち悪い何かが付いていた。
私は、先生お昼何食べたの?と聞くと近くの中華で出前を取って食べたよと。
あと田舎からマンゴーが送られてきたからそれを食べたかな。と言っていた。
あの黄色いネバネバはマンゴーかと、そんな事はどうでもよかった。
私は問題を間違えてしまい、いつもの先生のツバの刑に処された。
少しの興味本位で付けられた場所の匂いを嗅いでみた。
今まで嗅いだことのない老人のツバの匂い。
お爺ちゃんお婆ちゃんの家の匂いとでもいうのか、嗅いだ覚えのある匂いだった。
加齢臭より少し古びた感じの独特な匂いだ。
中華とマンゴーを食べた後とはいえその匂いは打ち消され、ただの加齢臭と化していた。
よくお爺ちゃんって押入れの匂いがするね!とバカにしていたが目の前のお爺ちゃんは押入れどころかお婆ちゃんの古い化粧品のような匂いが何処と無くした。
体臭ではなく口臭というのも驚きだ。
小学校卒業と同時にそろばん塾もやめた
私が隣に座っていた同級生に告げ口するとたちまち噂が広がって先生臭い!とか先生ばい菌!とか言われて少し可愛そうになった。
しかし先生は逆手に取り、問題を間違えた生徒には容赦なく口臭の刑をしていた。
頭をガッと掴んでフーッと息を吹きかける。
子供達はキャーキャー言うがいつしかそれを楽しんでいたようだった。
私は小学校を卒業すると同時にそろばんを辞めた。
他の友達も部活が忙しくなるため辞めたという。
噂によると先生は私が高校生の頃に亡くなった。
今思えば、口が臭くて当初は大嫌いだったが、終えてみればそれも楽しい思い出に変えてくれていた。
もう会えないが、その場所にいくとなんとなくあの匂いを思い出す気がするが嫌な気持ちにはならなかった。